2022/04/08
誤入金
コロナ給付金10万円463世帯分(4630万円)を銀行が役場の間違った依頼書に基づき名簿の一番上の一人(田口容疑者)に誤入金
2022/04/08
※裁判で驚愕の展開になったので引き続き動きがあり次第更新
この手の事件ではいつも電子計算機使用詐欺が適用されます。
コンピューターやその電磁的な記録を不正に操作するなどして、詐欺罪にあたる行為をする罪です。
口座のお金が自分の物でないと知りつつ送金をするとこの罪で捕まります
一方で誤って振り込まれたお金であっても、口座所有者のお金になるとの最高裁判決もあります。
※田口容疑者が「ネットカジノで全額使った」というのは嘘であり多くが決済代行3業者(実際は2業者3名義)の口座に残っていたとは限らず、決済代行業者が自腹で建て替えて返金してきた可能性もあります。
弁護士は決済代行3業者に名義人の開示請求をしましたが受け入れられませんでした。
そこで3業者に「(日本人の利用は認められていないネットカジノへの送金等)いかがわしい取引をしているが、それは金融庁に届けなければいけないのではないですか?」という要請書を発送。
さらに弁護士は田口容疑者が国税を滞納している事に着目。
国税徴収法などに基づき差し押さえ・(即時に払えとの)取り立て命令の紙を3業者の事務所まで行って置いて帰りました。その結果、翌日3業者から合わせて4290万円余りが町の口座に振り込まれました。
とある人物から約300万円を借りて全て清算し釈放された田口容疑者。
とある人物とはYouTuberヒカルであり、彼の関係している会社(ブロッコリーの会社)で働きながら借金を返済していくそうです。
釈放日にヒカルに独占インタビューされ、4630万円は本当に自分で全部ネットカジノで使っていた事が告白され、阿武町に返金されたお金は決済代行業者のお金だった模様です。
尚、ネットでは保釈時の挨拶で長髪を使ったセルフモザイクが話題となっていました。
髪風(神風)吹いてますね
ブロッコリーの会社で真面目に働き、勉強して特技も身に付け見事更生した田口氏。
しかし法律は甘くありませんでした。
お金が帰ってきた阿武町とは民事裁判で和解していますが、電子計算機使用詐欺罪に問われた刑事裁判の方は懲役4年6か月を求刑される厳しい展開になっています。(判決は2023年2月28日)
それよりも厳しいのは約4290万円を田口氏の代わりに阿武町に支払った決済代行業者との関係です。
・建て替えたお金とした場合:田口氏は決済代行業者に約4290万円の借金
・決済代行業者が借金にしない場合:贈与とみなされ約2000万円の贈与税
下の場合でも田口氏が確定申告をせず税務署が調査に来なければ支払い0円(※脱税)で逃げれるけど、ちゃんと確定申告するかで本当に更生したかが試されます
法律って上手く出来てますね。下の方が田口氏に取ってはいいだろうけど、決済代行業者が諦めるとは思えないし、下でも支払うのに何年も掛かりそう
2023年2月28日、山口地裁は有罪判決を言い渡しました。
●争点:電子計算機使用詐欺の罪に当たるか●
被告人には銀行に告知する義務があるが、それに違反していて正当な権利行使ではない。検察の主張を正当と考えるとして、懲役3年、執行猶予5年の有罪判決
※弁護側は無罪を主張、検察側は懲役4年6か月を求刑
弁護側は判決を不服として即日控訴しました。
法廷闘争はまだまだ続きます。