【2022年ウクライナ危機】ロシア、ウクライナ侵攻のまとめと開戦日の市場の反応

【2022年ウクライナ危機】ロシア、ウクライナ侵攻のまとめと開戦日の市場の反応

ウクライナについての最低限の知識

ウクライナは旧ソ連の一部で、その崩壊と共に独立した国ですが、ソ連時代から大虐殺をされ苦労して来たようです。詳しくは今回日本での心無い報道に憤慨したウクライナ生まれの方がSNSに投稿した以下の文章を読めば必要な知識が全て手に入ります。

  • ウクライナとロシアの戦争は2014年のクリミア紛争から始まっている
  • ウクライナ東部の「親露派勢力」の正体は「ロシア軍」。日本報道の「東部はロシア語で親ロシア」というのは間違い。東部の現地ウクライナ人は何万人も殺されている
  • 第二次世界大戦前に「ホロドモール」というジェノサイドでウクライナ人が独立出来ないように計画的に餓死させられ、スターリン時代には1000万人が殺され、代わりに移住してきたロシア人(ロシア語・親露)がいるだけ
  • 日本報道の「クリミアは親露が多い」というのも事実でなく元々「クリミアタタール人」が住んでいたがソ連時代にシベリアに強制移住させられ、代わりにロシア人が移住して来ただけ
  • 日本報道で「ウクライナではロシア語が禁止されロシア系住民が反発している」というのも嘘で、地域によってはウクライナ語の方が肩身が狭い
  • 日本報道で「ウクライナはNATOに入らなければいい」と言う人がいるが、それを決めるのは独立国家たるウクライナ自身であり他の国のよく知らない人に言われたくない
  • ウクライナはダブベスト覚書でロシアを含む他の国がウクライナ国境を遵守する事を条件に核爆弾を手放した。にも関わらず2014年、その約束は簡単に破られた。この現実を見て今後核爆弾を手放す国が現れるだろうか?
  • ダブベスト覚書があったので2014年までウクライナは戦争をする意識がなく、外国と戦うためのまともな軍隊や装備がなかったためクリミアをロシアに奪われた

ロシアがウクライナ侵攻をした理由

ウクライナ国境の街からロシアの首都モスクワまでわずか569キロ。

ウクライナがNATOに加盟し、ウクライナ国内にアメリカ軍が駐留すると喉元にナイフを突き付けられた状態となります。

このため、ロシアはウクライナにNATOに加盟して欲しくありませんでしたが、2014年にロシアにクリミアを奪われたウクライナは急激に親欧米に舵を切り、2019年にはNATO加盟を目指すよう憲法を改正しました。

開戦に至るまでの経緯

・2021年7月 プーチン大統領が「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」という論文で、欧米に傾くウクライナをロシア陣営に引き留めたい意図を発表するも、ウクライナは反発

・2021年12月 プーチン大統領と国防省幹部の会合で「欧米が敵対的な行動を取るなら軍事的措置を取る」

・2021年12月 プーチン大統領、NATOにこれ以上東方に加盟国を拡大しないという「法的な保証」を求める

・2021年12月11日 ドイツのショルツ首相とストルテンベルグNATO事務総長はロシアの要求を拒否
「NATOとウクライナの関係は加盟30カ国とウクライナによって決定される」
「ロシアが制御できる仕組みを再構築しようとするのは許せない」

・2021年12月23日 ロシア外務省、アメリカに「プーチン大統領が提案したNATO東方不拡大を保証するための米露2国間の条約案」草案を提出

・2022年1月27日 アメリカのアントニー・ブリンケン米国務長官はロシアの「NATO不拡大」要求拒否
「ウクライナが主権と、NATOなどの安全保障同盟への参加を選択する権利をもつ」
「ロシアがその進路を選択する場合のため、真剣な外交的道筋を提案した」
「ウクライナの防衛強化にも等しく、焦点を置いて行動している(=警告)」
→ウクライナにミサイル・弾薬等の軍事支援をしつつ、NATOと協力してロシアと外交継続を模索

・2022年2月10日 ロシア・べラルーシ合同軍事演習(軍を移動)

・2022年2月16日 ウクライナ全土の武器店で銃弾含めて全て売り切れ

(引用:共同 学校で銃の扱いと戦い方の訓練を受ける少女達)

・2022年2月18日 バイデン大統領、演説でプーチン氏が「ウクライナ侵攻を決断したと確信」「首都キエフが標的に」

・2022年2月19日 ドイツ、フランス自国民にウクライナからの退避勧告

・2022年2月20日 フランスのマクロン大統領の仲介でプーチン大統領とバイデン大統領が首脳会談で原則合意(ロシアがウクライナに侵攻しなかった場合)

・2022年2月20日 この日終了予定だったロシア・ベラルーシ合同軍事演習を延期

・2022年2月20日 ウクライナ政府とドネツク州・ルガンスク州の反政府組織双方がミンスク合意違反の攻撃を受けたと主張し始める

・2022年2月22日 ロシア、ドネツク州とルガンスク州の反政府(親露派)支配地域の独立国家を承認→両地域に平和維持軍を派遣

幸乃ちゃん
幸乃ちゃん

ロシアに取ってマストだったのがNATOの東方不拡大(具体的にはウクライナのNATO不参加)だったのに、その提案をNATOもアメリカも一顧だにしなかったのが原因で、それが叶わないと悟ってからロシアは嘘しかつかなくなり、戦争に向けて邁進しています。

でも、元はと言えば2014年にダブベスト覚書を破ってロシアがクリミアを奪ったからウクライナはNATO参加を志向するようになるので、ロシアが撒いた種なんだけどね。

2022年2月23日 開戦前夜

・キエフのロシア大使館外交官ら退避

・ドネツク州とルガンスク州の反政府(親露派)支配地域がプーチン大統領に軍事支援要請

2022年2月24日 開戦

・ゼレンスキー大統領、ウクライナ全土で非常事態宣言

・国連安保緊急会合もロシアは拒否権を持つ常任理事国であるため何も出来ず、その最中にプーチン大統領は宣戦布告

※アメリカの諜報部隊は一週間前からロシアの侵攻を予想し日本等に伝えていたそうです。
今回ロシアは一貫して嘘を言い続けて、アメリカは一貫して正しい情報を発信し続けていました。

宣戦布告からのロシア軍の攻撃まとめです。

現地時間4:30、ロシアの宣戦布告を受けて、ウクライナはロシアと断交を宣言し、非常事態宣言から戒厳令に切り替え。

ロシアからウクライナへ発射される弾道ミサイル

ウクライナの弾薬庫が攻撃をうけ爆発を起こす様子(白リン弾?)

激しい爆発

これらの攻撃についてロシア国連大使は「これは戦争ではなく、特別な軍事行動で一般人を守っている」と説明・・・

幸乃ちゃん
幸乃ちゃん

ロシアの要人嘘しか言わない・・・

キエフ市内のライブカメラでは混乱は見られず、日常と変わらない風景に見えますが、郊外へ向かう幹線道路は渋滞し随所でロシア軍とウクライナ軍の戦闘が見られました。

現地に残った日本人のツイートから大変さが分かります。ソ連は過去ウクライナで食料供給を絶ってわざと餓死者を沢山出したジェノサイドをした過去があるので、あながち妄想とも思えない迫力があります。

ウクライナ第二の都市、ハルキウメトロのシェルター避難民の様子

ロシア軍と交戦し破壊されたウクライナ軍の戦車

ウクライナのゼレンスキー大統領の国民へのメッセージ

ゼレンスキー大統領は国民総動員令に署名、18歳~60歳の男性の出国を禁止(徴兵のため)。

徹底抗戦を呼びかける政府、そして軍人も民間も応戦意欲は旺盛。

ロシア海軍 「こちらはロシアの軍艦だ、流血と不必要な犠牲を避けるため、武器を捨てて降伏することを提案する、さもなくば攻撃を行う」

ウクライナ、ズミイヌイ守備隊 「ロシアの軍艦へ、くたばれ」

→島の13人の軍人全員が殺された。
※後に生存していた事が判明(二度撃退するも弾薬が尽きて戦えずに降伏。ロシア軍が島のインフラを破壊したので生きている事を連絡出来なかった)

大国同士の軍事衝突は避けなければいけないのと、ロシアの天然資源が大事なアメリカとヨーロッパ(NATO)は一早くウクライナに軍隊を送らない事を明言。

欧米に見捨てられたウクライナですが、自分達の国は自分達で守るという気概がある模様です。

また、同時に世界で反戦デモが広がっています。

渋谷ではウクライナ人が抗議デモ。

(フランスでの反戦デモ)
(イギリスでの反戦デモ)
(アメリカ・ニューヨークでの反戦デモ)

ロシアでも反戦デモが行われ、1800人が拘束されました。

これはロシアのサンクトペテルブルクでの反戦デモの様子です。

開戦日の日本市場の反応

・前日のアメリカ市場

ロシアが宣戦布告する事は前日のアメリカで言われており、既にダウが-464ドル(-1.38%)の調整済み。

・日本市場

日本市場も先物の下落通りのGDから宣戦布告待ちで底値を這い、昼休み11:50に戦線布告でさらに大幅GDから底値で大引け(織り込めていなかった)。本当に武力衝突に至ると思っていなかった人が多かった事でFRB利上げで数か月下げ続けていた所から更に大きく下がりました。
※ただし、マザーズはこの日が大底で一早く急激なリバウンドを開始するので注意

ロシアが市場を閉鎖するとのニュースが流れるも、RTSIは-20%で寄り付いたと思ったら、一時-50%以上下げるという、コロナショック時の原油先物マイナス価格同様、恐らく二度と見れない暴落を目の当たりに。欧米による経済制裁を嫌気した模様。

コモディティは有事の金と、ウクライナが穀物地帯、ロシアが石油・パラジウムの産地である事からそれらが上がり、その他も全体的に上がるも暗号資産は暴落。

・日本時間からアメリカ市場が始まる前のコモディティ
 ※アメリカ時間が始まると株式のリバウンドと同時にコモディティは総じて下落

・原油の週足チャート

・金の週足チャート

開戦日のアメリカ市場の反応

・アメリカ市場オープン(日本時間23:30)直前の市況

・アメリカ市場クローズ後(日本時間7:00)の市況

ダウ底値から約1000ドルリバウンド
ナスダック底値から861ptリバウンド

アメリカ市場クローズ後(日本時間7:00)のコモディティ

株が上がったのとは対照的にコモディティは下落(※暗号資産以外)

・翌日の日本市場

GUから寄り天にならなかったのは二カ月ぶりぐらい、マザーズに至っては過去二番目の上げ幅7.5%

総括

前提として、2021年末から過去経験がない程世界でインフレが進行し始め、特にアメリカでは数十年ぶりの記録的なインフレ率となり、急ぎFRBのパウエル議長が断固としたテーパリングと利上げ開始を宣言していました。

これにより、コロナで行われた金融緩和による株高(=コロナバブル)逆回転(=コロナバブル崩壊)が急ピッチで進み、ハイテクグロース株の株価が高値から1/2~1/10になる程の急激な調整中でした。

そのタイミングでウクライナ危機が重なった事により、またウクライナ危機はコモディティの上昇=インフレを伴うため、「どれだけ経済が悪化してもFRBは助けてくれないどころか、さらにテーパリングと利上げペースが早まる」との絶望感を市場に与えて大きなショックとなりました。

また日本個別の要因として、就任したばかりの岸田総理が株・経済に無知でマーケットフレンドリーどころか、「株価を気にしない」と公言し、「新しい資本主義」(笑)と言う名の「古い社会主義」を基にマーケットに敵対する政策(金融所得増税・IPO公募価格高くする・配当規制・自社株買い規制・四半期開示の見直し)を志向していました。

岸田ショック(新しい資本主義)・コロナバブル崩壊(FRBテーパリングからの利上げ)・ウクライナ危機のトリプルショック(さらには日本ではオミクロンの猛威が最盛期)により、日本・・・特にマザーズは通常より大きく下がりました。

・日経平均日足(下落率-11%)

・日経平均週足

・マザーズ日足(下落率-43%でコロナショック-38%越え)
 ※この日が大底で世界一下げていた分、翌日から三日で20%の急激なリバウンドをします

・マザーズ週足

・ダウ日足(下落率-12%、直近四日では1800ドル)※S&P500はほぼダウと同じ

・ダウ週足

・ナスダック日足(下落率-20%)

・ナスダック週足

・日米主要市場比較

個別銘柄では防衛関連、パラジウム関連、金関連、石油関連が上昇。
具体的に開戦日に何が上げたかの詳細は以下のブログ参照。
ロシア、ウクライナ侵攻で全面安。今後のために詳細に記録

開戦を大底に翌25日からリバウンドした市況の詳細は以下のブログ参照
マザーズ-43%というコロナショック(-38%)超えの岸田禍+コロナバブル崩壊+ウクライナ危機を乗り切っただけでなくマイルールを冒して禁断の果実に手を付けた!

余談

戦争中なのに、ウクライナ美人とやるために戦地に赴いた国際的ナンパ師がいました。
※時系列だと右下からになります。

幸乃ちゃん
幸乃ちゃん

避難中もやろうとするモチベーション凄いですね。というか、前述のキエフのシェルターに避難した日本人は絶望して「死ぬ死ぬ」言ってるのに、こっちは女と「やるやる」しか言ってない対比が凄いですね

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