【GNI】第3相治験結果を待ちわびてる状況で掲示板風説でストップ安、会社HP風説でストップ高のGNI劇場【2160】

【GNI】第3相治験結果を待ちわびてる状況で掲示板風説でストップ安、会社HP風説でストップ高のGNI劇場【2160】

背景

中国で1.5億人の患者が存在する肝線維症の初の治療薬(F351)を中国で治験中のGNI。

第3相臨床試験が終了しトップラインデータの分析結果を待っている段階で、効果が認められるといよいよ承認申請し上市出来ればブロックバスター候補と言われている期待の新薬です。

医薬品におけるブロックバスターとは、従来の治療体系を変えるような画期的な薬効をもつ新薬で、売上が世界的にも高い製品のことをさします。 明確な定義はありませんが、全世界での1年間の売上高が1000億円もしくは10億ドルを超える薬をさすことが多いです

引用:株式会社ジーエヌアイグループ2024年12月期通期 決算説明資料

期待でGNIの株価は上場来高値近辺まで駆け上がっていました。

風説でストップ安

2025年3月5日(水)、朝から弱かったGNIの株価は延々と下げ続け、謎のストップ安張り付きとなりました。
かつてアキュセラ(現窪田製薬)の株価が突然異常な売りが殺到しストップ安張り付きになった後に治験失敗が発表された事があり、「治験結果が漏れているのでは?」との連想が広がったと思われます。

GNIに問い合わせが殺到したのか、会社はなんとザラ場中に4回も会社HPで情報発信。その度にストップ安張り付きは剥がれました。

11:00頃 本日の当社株式の株価について
12:00頃 本日の当社株式の株価について(追記)
13:50頃 本日の当社株式の株価について(追記②)
14:20頃 本日の当社株式の株価について(追記③)

会社によると依然F351は結果受領待ちであり状況は変わっていない、調査したら掲示板への風説の流布があり弁護士に対応を依頼したとの事。
「2025年3月5日9時16分及び9時20分に某掲示板にて「F351が失敗した」と記載されており、投稿された内容が風説の流布及び相場操縦の疑いに該当する可能性があり、弁護士を通じSESCへ調査の依頼をいたしました。また、これら書き込みが業務妨害にあたる可能性を弁護士と協議しております。」

会社の情報発信もむなしくストップ安張り付きで引け、さらにその後の株価推移も軟調でした。

風説でストップ高

2025年3月7日(金)17:50頃、GNIの中国子会社・北京コンティニに以下の記事がアップされている事が発見され(※いつ上がっていたかは不明)、F351の治験結果が載せられ成功したと読める内容であったためPTSでストップ高張付きました。
※ストップ高で異常な売りが大量に出ていました。

しかしこの記事は以下の疑義が指摘されます。

  • 記事のアドレスは「https://www.bjcontinent.com/article/42.html」であり、ドメインは正しいが公式HPに記事の存在する「article」に繋がるリンクがなくアドレス直打ちでないと辿り着けない
  • 「article」内の記事は最近投稿された記事が数件あるだけ(※公式HPでは通常「news」内に記事が作成される)
  • プラセボとの比較がない、示されている数字の効能が大したことない等、記事内容に疑義(※他の記事も内容におかしい点が散見される)
  • 生成AIで作ったかのような内容

PTSは急落開始、23:30にアメリカ市場が始まり、ナスダックに上場するGNI子会社・GYREの株価は一時+30%と急騰したため「記事はやはり信頼出来るのか?」とGNIのPTSも再び急騰しましたが、そもそもアメリカの投資家はGNIのPTSを見てGYRE買っているだけという可能性もあり、結局双方の株価は連動する形で下落して行き、GNIのPTSは+4%で引けました。
※GYREの株価は日本のPTSが引けた後更に下がり続け-3.55%で引けました。

2025年3月8日(土)、問題の記事が削除され北京コンティニ社からHPがハッキングされて虚偽情報が掲載されていたと発表されました。

引用:北京コンティニ製薬株式会社の虚偽情報に関する声明

ネットの声

掲示板に風説の流布を書かれるのはよくあるけど、会社HPに風説の流布を書かれるのはめったにないよね

社長とメル友凄いな

運命の月曜日

2025年3月10日(月)GNIの気配はGUでしたが8:40に声明が出されるとGD気配に転じました。
声明の最後に蛇足的に従来2~3か月後としていた結果発表時期の大幅な後ろ倒しを示唆する内容が書かれていたからだと思われます。

当社子会社ウェブサイトにおける偽情報の掲載と対応について

通常、バイオテクノロジー企業が厳格な臨床試験プロトコルおよび法律に基づいてデータを収集、分析、確認、公開するには、数か月から1年を要します。期間はケースによって異なります。最終患者の治療終了が2024年10月下旬であったため、それからまだ4か月強しか経過していません

GNIの結果発表時期の手のひら返しを受けて個人投資家への情報提供のためXで盛んに情報発信し、「2月には結果が出る」と言っていたGNI社CFOの北川さんが動きます。

個別のアカウントに返信したり、言い訳とも取れるポストをするも即削除。

結局GNIは-7%GUで始まり-6%で引けました。

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