【韓国】愛のクーデター失敗【市場反応】

【韓国】愛のクーデター失敗【市場反応】

背景

韓国 尹錫悦
ユンソンニョル
 大統領の夫人 金建希
キムゴンヒ
 に相次ぐスキャンダルが発覚し、支持率は19%になり野党による弾劾が迫っていました。

金建希の主な疑惑

  • ドイツからの輸入車を扱うドイツモーターズ(知人の会社)の株価操作に関与
  • 知人から不法に高級ブランドバッグを受け取った
  • 2022年の国会議員の補欠選挙の際、与党の公認候補選びを巡り政治ブローカーと共に不当な介入
  • 職歴や受賞歴を詐称(認めて謝罪)※学歴社会の韓国では一番嫌われる
  • 博士論文1本、学術誌論文2本を盗用した疑惑

クーデター

野党の弾劾が迫る中、尹錫悦大統領が選択したのは妻との離婚でも逮捕でもなく、妻を守るための軍事クーデタ―でした。

【韓国歴代大統領の悲惨な末路】
李承晩:亡命
尹潽善:軍事クーデターで辞任、逮捕・実刑
朴正煕:暗殺
崔圭夏:軍事クーデターで辞任
全斗煥:死刑判決(無期懲役に減刑)
盧泰愚:懲役22年
金泳三:息子が逮捕
金大中:息子三人が逮捕
盧武鉉:自殺
李明博:退任直前に電撃的に竹島上陸して国民の歓心を買うも懲役17年の判決→特赦で釈放
朴槿恵:弾劾で罷免された初のケースで懲役20年の判決
文在寅:
※政争に負けて下野すると悲惨な末路となるためクーデターを起こす動機となる

6時間天下

※時系列はKOREA WAVE/AFPBB News『韓国・非常戒厳令、発令から解除まで「緊迫の6時間」』から引用

◆2024年12月3日夜~4日朝

10時28分 ユン大統領が非常戒厳令(民主化以降初の戒厳令)を発令

10時40分 野党「共に民主党」が戒厳令発令に対応し、国会の緊急招集を要請

10時59分 チュ・ギョンホ(秋慶鎬)院内代表が非常総会招集、戒厳令への対応を協議

11時14分 ウ・ウォンシク(禹元植)国会議長が非常戒厳発令に伴い、国会に緊急復帰

0時27分 戒厳軍が国会本館正門への進入を試みる。野党議員ともみ合い

0時38分 武装した戒厳軍の一部が国会本館に進入

与党を含む国会議員190人(過半数150人以上)が戒厳令解除を可決するため、警察や軍によって封鎖されている国会に集合。
※40人以上が拘束されると過半数に達せず戒厳令を解除する事が出来ない
※後(13日)に逮捕された趙志浩(チョジホ:韓国警察トップ)の弁護人が、戒厳令の宣布後に尹大統領が趙氏に「国会議員を逮捕しろ」などと電話で6度にわたり指示したと明らかにしている

0時48分 国会が戒厳令発令への対応を議論するため本会議を開始

1時3分 「戒厳解除決議案」を在席議員190人全員の賛成で可決

1時14分 国会本館に進入していた戒厳軍が全員撤退し、敷地外へ退去

3時25分 与党「国民の力」が議員総会を開き、ユン大統領に国会の意見を受け入れ、戒厳令を速やかに解除するよう要請

4時15分 野党「共に民主党」が「戒厳令は国家権力の乱用を目的とした反乱行為」と非難し、ユン大統領に対する内乱罪の捜査を求める声明を発表

4時29分 ユン大統領が「国会の要求を受け入れ、戒厳令を解除する」との声明を録画形式で発表

4時30分 ユン大統領が国務会議を招集し、戒厳令解除案を議決

弾劾

◆2024年12月4日

10時00分頃 韓国の最大野党「共に民主党」は、ユン大統領に辞任を要求した。直ちに退陣しない場合、国会決議で大統領を辞めさせる弾劾訴追を準備する方針を示した

12時55分頃 内閣閣僚が一斉に辞意表明

14時40分 韓国野党6党、ユン大統領弾劾案を提出(7日に採決・与党を含む200/300人の賛成で可決)

◆2024年12月7日

夕方 【全文】韓国・尹大統領が謝罪「私の任期含め、今後の政局安定策は我が党に一任する」

21:31 ユン大統領の弾劾議案は不成立 投票者数足りず(与党議員のほとんどが退出) 大統領は職務継続 ※野党の弾劾で辞めると野党に主導権を奪われるので与党の意思でユン大統領を辞任させる方針

◆2024年12月9日

10時34分頃 検察はユン大統領の捜査開始、警察は出国禁止措置を検討

韓国検察、尹大統領の捜査開始 内乱容疑で前国防相逮捕―警察、出国禁止措置検討

◆2024年12月11日

11時45分頃 警察庁国家捜査本部の特別捜査団は11日、大統領室の家宅捜索を試みたが、大統領警護処が「公務・軍事上の秘密」などを理由に拒否

12時頃 内乱容疑などで逮捕された金龍顕前国防相がソウルの拘置所で自殺未遂

◆2024年12月13日

韓国警察トップら2人逮捕 「非常戒厳」巡る内乱容疑

韓国警察 内乱容疑で警察組織トップを逮捕 検察も首都防衛司令部の司令官を拘束

野党6党が提出した弾劾案が国会本会議に上程される
→与党7人が賛成を表明しており後一人で可決されるギリギリの状況

◆2024年12月14日

尹大統領の弾劾訴追案が可決、職務停止に 弾劾審判で罷免を判断へ
※与党から12人の造反が起きて野党が提出していた弾劾案が可決
※大統領の職務停止(首相が権限代行)、憲法裁は180日以内に尹氏を罷免するかの弾劾審判を行う

逮捕者一覧

  • 金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官 ※非常戒厳宣言を進言の疑い。拘置所で自殺未遂
  • 呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官 ※逮捕状
  • 趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長(全国の警察組織トップ) ※警察官に指示して国会を封鎖
  • 金峰埴(キム・ボンシク)ソウル警察庁長 ※警察官に指示して国会を封鎖
  • 李鎮雨(イ・ジヌ)首都防衛司令官 ※戒厳令宣布の際に国会に兵士を送った

市場の反応

戒厳令が発令されると円高が進みその分日経先物は下落しましたがアメリカ市場はほぼ無風でした。

(2024年12月3日夜の市況)

日経はザラ場高値からは850円程度下落しました。
※前日夜間とザラ場に半導体銘柄に好材料が相次ぎ、日経は前日比で一時900円以上上げていた

アメリカに上場されてる韓国ETFは-1.59%。

(2024年12月3日(日本時間4日深夜))

明けた12月4日の日本市場は、既に戒厳令が解除されており、さらに12月日銀利上げ観測が後退するニュースが流れ、戒厳令で円高になったドル円が全戻しで円安になった事で無風でした。
※詳細は『韓国民主化後初の戒厳令・クーデタ未遂で▲1.4%、グロース何もないのに▲1.3%』参照
また韓国KOSPIも-1.4%と通常の下落でした。

(2024年12月4日東京時間)

7日(土)に野党が提出したユン大統領の弾劾が否決された事で与野党対立による政局不安定化懸念と9日(月)にはユン大統領が出国禁止になった事で韓国KOSPIは愛のクーデターが起きてから一番の下げ幅となりました。※その他の国は無風、翌10日KOSPIは+2.43%のリバウンド

(2024年12月9日)

おまけ

これが民主主義・・・いや、萌の勝利ですね

日本首相指名選挙・アメリカ大統領選挙に続き韓国の政局も動かしてしまった日本が誇る逆神

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