総裁選概要
政治資金パーティー収入の裏金問題
2022年に赤旗が報じたのをきっかけに自民党の政治資金パーティー裏金問題が表面化しました。
自民党は派閥の政治資金パーティーでノルマ以上の資金を集めた議員にそれをキックバックしていたのですが、そのお金を政治資金収支報告書に記載せず裏金としていた問題で、法的には脱税となるため大きな問題となりました。
派閥ごとにキックバックの有無や報告書への記載が異なり、結果として派閥が解体された事が2024年の総裁選の結果に大きな影響を及ぼしました。
岸田総理総裁選不出馬
2024年8月、事件発覚から2年も経ち、派閥解体で問題解決しているにも関わらず岸田首相は「けじめ」として突然総裁選の不出馬(=岸田内閣退陣)を表明しました。
政治とカネの問題に「けじめ」、岸田首相が退陣表明…茂木氏・石破氏ら総裁選に意欲
人気がなくなってて総選挙で勝てないから辞めるだけでは・・・
過去最多9人立候補
次々と立候補者が名乗りを挙げる異例の選挙戦となりました。しかし高市・石破・河野・小泉以外は名前を売り次に活かすための立候補でしょう。
投票日までの市場の反応
小泉は立候補会見で記者の失礼な質問に上手く返し「器が大きい」とスタートダッシュを決めました。
辛辣質問…小泉進次郎議員の『さわやかな切り返し』に注目集まる 「『知的レベルの低さ』で恥をかくのでは」に記者をまっすぐ見つめ返答
このため市場ではいち早く小泉祭りが開催されました。
その他、小泉は会見で「リスキリング」という言葉を使用したためウィルソンWLW・TAC・Aoba等が一時大幅高しました。
しかし討論会で「やっぱり中身がない」とバレて評価を落としました。
その他の候補でもマネーゲームが開催されました。
目立っていたのは本命である高市・石破両候補に該当する防衛関連。
具体的に大きく上がったのは三菱重工・川崎重工・IHI・日本製鋼所等でした。
名前が似てるとかいう下らない理由で小型が上がるんじゃなくて、大型が上がるのは流石本命候補ですね
また、高市は宇宙と核融合に注力しているため、QPS・アストロスケール・助川電気(株探煽り有り)が大相場になりました。
市場は植田日銀の利上げによる円キャリーバブル崩壊(詳細はコチラ参照)直後であり、日銀の利上げに敏感になっている時期であるため高市の「今利上げはアホ」発言がドル円(≒日経平均)に大きく影響しました。また「積極財政」を主張していたため、「アベノミクスの後継者」として市場関係者から期待されていました。
高市早苗氏、日銀の金融政策をけん制 「今、利上げはあほ。デフレに戻る不安ある」
逆に石破は早々に「金融所得課税の強化」に言及した事と「財政健全化(=緊縮財政)」「防衛費増額のための法人増税」を主張していた事から、市場関係者からは不人気(石破が当選すると大暴落が起きる)と言われていました。
高市・・・利上げ反対(=円安)、積極財政でマーケットフレンドリー
石破・・・利上げ賛成(=円高)、緊縮財政、増税でマーケットフレンドリーでない
選挙結果と市場の値動き
選挙日直前に小泉による麻生詣で(さいか屋が急騰)が発生しましたが、麻生は麻生派メンバーに「高市氏を支持で」と伝え、岸田は旧岸田派議員に「高市さんでは政策が合わない。党員票が多い候補(石破想定)へ」と言及しました。
岸田首相「党員票が多い候補」支持の意向伝える 麻生氏は「高市氏」
第一回目投票
投票日は2024年9月27日(金)でした。
第一回目の投票は以下のようになり、高市と石破の決選投票となりました。
議員票一位が小泉進次郎なのは『神輿は軽くてパーが良い』って事?!
過去の総裁選の決選投票では議員票が多い候補が勝っており、旧岸田派議員は党員票が多い方(=高市)に入れろと岸田からの指示があるため、この時点で後場14:00過ぎの市場はすぐに高市勝利で動きました。
即ち円安・日経高です。日経平均は前日も+1050円上げており出尽くしになるかのように急落を挟みながら結局出尽くしにはならず高値引けしました。
決戦投票と市場大パニック
日経先物も引けた15:22に決戦投票の結果が出ました。
なんと、石破が勝利したのです!都道府県票は第一回目の時に分かっていましたが、予想以上に議員票が石破に集まりました。
※第一回で小泉の票が多かったのは旧岸田派が入れたからで、その票が全部石破に流れた?
これって麻生(高市)VS 岸田(石破)の戦いに岸田が勝利したって事じゃ・・・
既に日経先物も引けていたため、動いている日経CFDとドル円が反応!
個別株も地獄で高市銘柄はPTSでオーバーキル(翌営業日のストップ安より安い)で売られました。
大逆転の真相
総裁選の逆転劇は麻生が高市に味方した事で、小泉に投票していた菅氏らの票と「高市以外」と指示されていた岸田グループの票がまとまって石破に乗った事により起こったようです。
また、高市では総選挙で勝てないと多くの議員が考えていたようです。
派閥がなくなっても麻生降ろしという自民党内権力闘争で総裁が決まるようです。
麻生派の高市氏支援が逆効果?石破氏“大逆転”で涙の議員も…小泉氏陣営や旧岸田派が石破氏支持に流れたか
1回目は2位…石破氏逆転劇の裏側 高市氏を“うっちゃり”票はどう動いた?
総裁選後夜間
日経先物は-2000円前後で始まり、石破記者会見にて「思ったよりまとも」でリバウンドしWBS出演(後述)で投資家の懸念を払拭しましたが、金利安で円高が進んだ事と半導体指数が崩れた事で史上最高値で孤軍奮闘するダウをよそに安値引けとなりました。
※現在は日経平均はダウより半導体指数とドル円との相関係数が高くなっている市況
WBS出演
夜間WBSに出演した石破氏は市場が懸念している「緊縮財政」「利上げ派」「金融所得課税」について今までとトーンを落とした無難な回答(岸田路線の継承)をしました。
- 緊縮財政・・・緩和基調は不変、必要なら財政出動
- 利上げ・・・要請しない、日銀が判断、協調する
- 金融所得課税・・・貯蓄から投資推進、課税強化はこれからの議論
石破トレード
夜間のPTSでは早くも石破トレードが始まりました。
◆石破関連◆
- 防衛・・・高市銘柄でもあり既に上げ過ぎているのでむしろPTSでは下げる
- 地方創生(ふるさと納税等)・・・雨風太陽、イシン、チェンジ
- 鳥取・・・トミタ電機、鳥取銀行
- 防災(防災省創設)・・・モリタ(時価総額が大きいのでマネゲにはならない)
- 日経ベア・・・この日は日経先物が暴落しているため。また中長期的に下げるとの予想も
PTSで動いていないだけでこの他にも低時価総額で煽り屋が煽ってマネーゲーム化する銘柄はありますが、それは煽る人と仕掛ける人がいるか次第なので省略
尚、石破は以下の株を保有しているようですが時価総額が大きいのでマネーゲームにはならないでしょう。
◆保有銘柄(2024年9月27日終値ベースの評価額)◆
- 東電HD:4813株(338万円)
- 日本製鉄:2791株(906万円)
- 東急:2451株(464万円)
- 関西電:2150株(545万円)
- 三菱重:1062株(233万円)
- JFE HD:600株(117万円)
- 川崎重:500株(305万円)
石破ショック&高市ロス
石破は土日に過去の発言を二転三転させました。
日銀に口出ししないと言っていたのに利上げ牽制発言(日経先物暴落を見てビビったか?円安株高要因)をしたり、党首討論をした後で解散総選挙と言っていましたが週明け即の解散総選挙宣言(「選挙は買い」アノマリー)となりました。
アメリカ時間の日経先物程下げませんでしたが、利上げ軌道修正発言もむなしく円高が進んだ事で日経平均はリバウンドなしで下げ続け、グロースは買い手不在の流動性不足で売られたらリバウンドなしでした。
◆月曜日の日本市場◆
大型では利上げが進むとの思惑で銀行が、円高が進むとの思惑でニトリが強かったほかは全面安でした。
マネゲの個別株では低時価総額のこじつけ石破関連が急騰する中、高市関連で上げていた銘柄は全面暴落でした。
※両者の関連銘柄である防衛関連は既に上げていたので利確に押されました。
※再生可能エネルギーは朝一急騰しましたが時価総額があるのでマネゲにならず大引けに掛けて値を消しました
石破は原発0を掲げるため電力株が時価総額の割に大きな下落となりました。
余談
逆神
日本市場一の逆神・岐阜暴威氏が高市を応援したため落選したと言われました。
高市さんが負けた理由は明白だな。
— 炭鉱のマネツイ (@Money_tweet1118) September 27, 2024
魔封波を誰か魔封波を頼む。
100年くらい封印してくれ。 pic.twitter.com/AiZToyQSRo
石破サゲル
国民民主党の玉木代表が石破当選で株(日経先物)が大暴落しているのを「石破サゲル」と名前で揶揄する政治家にふさわしくないポストを行い、即削除するも大炎上しました。
裏切者
石破裏切りの歴史がXでバズっていました。