前回「2026年イラン戦争時の市況まとめ~開戦から停戦交渉開始まで~」のあらすじ。
イランの核開発を防ぐために始まったイラン戦争。アメリカは最初の爆撃で斬首作戦(ハメネイ師爆殺)に成功し戦争はすぐに終わると思われました。しかしイランの専門家会議はハメネイ師の息子・モジタバ師を後継者に選定し、イスラエルと湾岸諸国に報復攻撃、更には世界経済の要衝ホルムズ海峡を封鎖し世界経済を人質に取り徹底抗戦。
化石資源のほとんどを中東(ホルムズ海峡)に依存する日韓に取って影響が甚大で停戦期待で暴騰、期待剥落で暴落を延々繰り返すハイボラ地獄と化す中、ついに待望の停戦交渉が行われている事が発表され世界市場はリスクオン(停戦を織り込む大暴騰)・・・しかし・・・
- 1. 戦況・市況まとめ
- 2. 市況詳細
- 2.1. 3月26日(木)-0.27%:停戦期待剥落で原油反騰開始にTurboQuantショックが追い打ち
- 2.2. 3月27日(金)-0.43%:発電施設攻撃10日延長と配当再投資に救われる
- 2.3. 3月30日(月)-2.79%:土日で戦況悪化でマンデー
- 2.4. 3月31日(火)-1.58%:トランプまさかのホルムズ海峡ほったらかしで終戦?!
- 2.5. 4月1日(水)+5.24%:トランプホルムズ海峡どころか停戦合意もほったらかして終戦で歴史的大暴騰
- 2.6. 4月2日(木)-2.38%:イランが融和的な声明で停戦期待最高潮もトランプが演説で「イランを石器時代に戻す」で終了
- 2.7. 4月3日(金)+1.26%:謎理由で謎上げで運命の交渉期限4月6日を前に堅調
戦況・市況まとめ
戦争権限法によるアメリカの攻撃期限60日が迫る中、停戦交渉をまとめたいトランプ大統領はイランの発電施設への空爆で脅します。
※トランプ大統領がイラン発電施設への空爆に最初に言及したのは3月22日(日)で、そのせいで23日(月)は大暴落していました。その後停戦交渉開始で攻撃は延期されていました
イランもそれが行われたら湾岸諸国に同様の報復攻撃(淡水化施設を含む生活インフラ、エネルギー施設が対象で、実施されたらホルムズ海峡に関係なく化石資源輸出どころではなくなり世界経済に影響大)をすると応じ、戦争はアメリカ・イスラエル軍 VS イラン軍の戦いから、世界経済とイラン国民を人質に取った脅しあいに発展します。
■戦争権限法■
ベトナム戦争への反省から、「大統領が勝手に戦争を泥沼化させない」ために議会が制定した法律
- 事前相談: 軍を派遣する際は、可能な限り事前に議会と協議すること。
- 48時間以内の報告: 武力行使を開始したら、48時間以内に議会へ理由を報告すること。
- 60日の期限: 議会の承認が得られない場合、軍は60日以内(撤退用プラス30日)に撤退しなければならない。
停戦交渉がまとまらないとアメリカがイランの発電施設を攻撃するという一番まずい状況を中心に市場は動きます。その最中、トランプ大統領が停戦交渉でネックになっていたホルムズ海峡はどうでもいいと投げ出し、更には停戦交渉もどうでもいいと投げ出した事で状況は一変。
戦争の早期終結期待が台頭し一旦リスクオンになるも、トランプ大統領は戦争権限法の期限(=事実上の敗戦)が来る前に停戦交渉を諦め、イランの発電施設を含めた生活インフラを完膚なきまでに破壊し、イランを文字通り「石器時代に戻す」つもりだと市場は悟り暴落。
何しろ、硬直状態で期限切れになると、イランはホルムズ海峡を実効支配し通行料を徴収する事で戦後復興が行われ、二度と攻撃されないために何があろうと核開発を推進します。
それを防ぐには以下の手段しかなく、
①濃縮ウランを使えない状態にする内容を含む停戦合意をしイランに核開発を放棄させる
②地上軍を派遣し濃縮ウランを奪取する
③生活インフラを攻撃しイラン経済を破綻させて核開発を不可能にする。また困窮した国民に蜂起させ体制転換を誘導する
①と②が不可能となった場合、③しか道が残されていないのです。
運命の停戦交渉期限4月6日に果たして何が起きるのか?
※すべて終わった後、イベントを記した日経平均チャートを載せる
市況詳細
3月26日(木)-0.27%:停戦期待剥落で原油反騰開始にTurboQuantショックが追い打ち
停戦交渉でアメリカは15項目の条件を突き付けていました。しかしイランはこれを全て拒否し逆に5項目の提案をしたと報じられ、25日夜間の日経先物は乱高下。
イランの提示した5項目
- 侵略と暗殺の完全な停止
- 戦闘再発防止の仕組み確率
- 賠償金の支払い
- 親イラン組織を含めた地域全体での戦闘終了
- ホルムズ海峡におけるイランの主権を認める
交渉に関してイラン側の動きが伝えられたことで「本当に停戦交渉してるんだ」という安心感と「この交渉はまとまらないのでは?」という不安感が交錯する中、原油が再び上昇を開始し原油が上がると逆相関で下がる日韓株式市場は軟調。
というのも、トランプ大統領が停戦交渉開始により延期していたイランの発電施設への攻撃期限が27日と迫っていたからです。
更にアメリカでGoogleがメモリの圧縮アルゴリズムTurboQuant(メモリ使用量1/6に圧縮)を発表した事でサンディスクが一時-8%と暴落し、半導体指数には影響ありませんでしたが、日韓はメモリ系半導体銘柄が暴落し地獄の様相。
MU、WDC、SNDKが下落:GoogleのTurboQuantがメモリ株を揺さぶる理由
※日経平均がそこまで下がっていないのは寄与度の高いソフトバンクGが好材料(子会社のアームが半導体製造を開始する)で+8%スタートし指数を押し上げたからで、韓国KOSPIは-3.2%と大暴落でした。

3月27日(金)-0.43%:発電施設攻撃10日延長と配当再投資に救われる
3月26日夜間はトランプ大統領がイランとの交渉にちてネガティブな発言を連発した上、この日が期限だったイラン発電施設への攻撃の延期を濁した事でアメリカ市場は寄り天撃沈。
しかもTurboQuantショックが本格的にアメリカ市場を襲い半導体指数は-4.79%。
これを受けて大暴落確定と思われた日本市場、しかしアメリカ市場が閉じた直後トランプ大統領が発電施設への攻撃を10日間延長(4月6日期限)を発表。
トランプ氏、発電所への攻撃を再延期 「イラン政府の要請」で10日間
トランプ氏、イランのエネルギー施設攻撃を再延期 協議「順調」
開場した日本市場はTurboQuantショック二日目で半導体銘柄が暴落したため、一旦寄り天で日経平均は-1000円下げるもそこから謎にひたすら上げ続け一時プラ天、グロースに至っては+1.96%でむしろ大リバウンドする結果に。
※日本時間に原油が上げ続けていたので弱いはずなのに、強い日本市場に韓国市場や時間外のダウも連れ高した模様。上げた理由として有力なのは配当再投資買い。事実配当再投資買いがなくなった引け後に日経CFDは急落しています。

3月30日(月)-2.79%:土日で戦況悪化でマンデー
土日に革命防衛隊が正式にホルムズ海峡封鎖を宣言。
ホルムズ海峡「封鎖」とイラン革命防衛隊、船舶3隻の通過阻止…トランプ氏の「贈り物」発言に反発か
更に紅海に面するイエメンの親イラン武装組織フーシ派が正式に参戦を表明しイスラエルに初攻撃を実施。
状況次第で紅海のバブ・エル・マンデブ海峡封鎖を匂わせました。
親イラン勢力フーシが参戦 イスラエルの軍事施設攻撃、衝突拡大懸念
■ブル・エル・マンデブ海峡■

マンデブ海峡は従来、ペルシャ湾岸で生産された原油等がホルムズ海峡→アラビア海→マンデブ海峡→スエズ運河の海路を通ってヨーロッパに輸出される交通の要衝でした。
この二つのチョークポイントとなる海峡が封鎖された時のためにサウジアラビアは東西パイプラインを建設しペルシャ湾岸で生産された原油を直接紅海側に届けるルートも構築していました。
イラン戦争によりホルムズ海峡が封鎖された事で、マンデブ海峡はヨーロッパ向け以外にもペルシャ湾岸で生産された原油を東西パイプライン→マンデブ海峡を通ってアジアに輸出する重要な迂回経路となっていました。
トランプ大統領も地上軍派遣(=泥沼化)を匂わせエスカレーション懸念が高まりました。
トランプ氏、イラン・カーグ島の占拠検討を明言 「石油を奪いたい」
※戦争権限法で占拠しても4末には攻撃を止めないといけないので現実的ではないただの妄想
上記土日の状況を受けて月曜日の日経先物は配当落ちも相まって-5%スタートと紛れもないマンデースタートとなりましたが、トランプ大統領の交渉進展発言が寄り付き前と昼休みに入り、またこの日も配当再投資買いが入ったのか寄り底でした。
寄り付き前のトランプ大統領発言と、それを受けたイラン・ガリバフ議長の反論。
イランと直接的および間接的に交渉中。まもなく合意できると思うが、できない可能性もある。イラン、政権交代があったと思う。イランはディールするだろう。イランの第3勢力の異なる人物たちと交渉することになる
※アメリカが交渉しているのはガリバフ議長等とのちに判明
プレマーケットの所謂ニュースは利益確定のための仕掛けに過ぎず逆指標です。逆張りしましょう
昼休みのトランプ大統領発言
米国が提示した15項目のほとんどをイランが受け入れた

3月31日(火)-1.58%:トランプまさかのホルムズ海峡ほったらかしで終戦?!
悪材料しか出ず絶望で開けた日本市場は寄り天でぐんぐん下げるもいきなり原油急落・株急騰開始!
ウォールストリートジャーナルが以下のように報じたかです。
トランプ大統領は側近に対し、ホルムズ海峡を再開せずに戦争を終結させる用意があると語る
アメリカとイランの交渉のネックとなっているのがホルムズ海峡で双方譲れません。
トランプがそれを放置(=イランが支配する事を黙認する)して終戦させるという事は停戦交渉が進展するとの思惑でした。
しかし最後は反落して引けました。

4月1日(水)+5.24%:トランプホルムズ海峡どころか停戦合意もほったらかして終戦で歴史的大暴騰
3月31日夜、トランプ大統領がウォールストリートジャーナルの飛ばし記事を認める「ホルムズ海峡なんか知らない。石油が必要な国はアメリカから買うか自分でホルムズ海峡をなんとかしろ」とSNSに投げやり投稿。
ホルムズ海峡のせいでジェット燃料を手に入れられない、あの国々、例えばイラン斬首作戦に関わるのを拒否したイギリスなんかに、提案があるよ。1番、米国から買え、俺たちはたっぷり持ってる。そして2番、遅れてでも勇気を振り絞って、海峡に行って、ただ奪い取れ。お前らは自分で戦う方法を学び始めなきゃいけない、アメリカはもうお前らを助けたりしない、俺たちをお前らが助けなかったのと同じだ。イランは本質的に壊滅させられた。難しい部分はもう終わった。お前ら自身の石油を取りに行け!
続いて、ホルムズ海峡どころか停戦合意までほったらかして2~3週間で勝手にイランから撤退すると発言。
イランは米国が戦争を終えるために取引をしなくてもよい。イランは合意しなくても、米国は戦争を終わらせることができる。2週間以内あるいは3週間以内にイランから撤退の可能性がある。米国が去るとき、海峡の事態は収拾されるだろう。フランスなどの国々は海峡では自力で対処へ。ホルムズ海峡で何が起こっても、我々は関与しない
更に米・ルビオ国務長官も戦争早期終結を匂わせた事で市場は完全にリスクオンモード!
「イラン戦争の終着点が見えてきた」
「イラン戦争の終結は今日でも明日でもないが、着実に近づいている」
「いかなる国によるイラン支援も、我々の任務を妨げるものではない」
これでホルムズ海峡問題含む停戦合意すら必要なく戦争が終わるという事でアメリカ市場は大反発!
※ただしそもそも戦争権限法で3週間以上の戦争継続は困難だっただけ
イラン・アラグチ外相が状況は変わっていない事、「少なくとも六か月の戦争に備えている」と反論するも、もはやそんな事は関係ありませんでした。
これを受けて始まった日韓市場は4月6日までに停戦合意がなければイラン発電施設への攻撃の事はすっかり忘れて来るべき終戦(アメリカが勝手に攻撃を止めて帰る)を先取る形で、またはそれまでに停戦合意するのでは?との期待で狂い上げ!

市場の注目は明日のトランプ大統領の国民に向けた演説に託されました。
4月2日(木)-2.38%:イランが融和的な声明で停戦期待最高潮もトランプが演説で「イランを石器時代に戻す」で終了
4月1日夜間、トランプ大統領が好悪入り乱れるSNS投稿
イランの新政権の大統領は、歴代の大統領よりも過激さがずっと少なく、はるかに知的だ。その彼が、ちょうどアメリカ合衆国に対して停戦を求めてきた!ホルムズ海峡が開放され、自由で、安全な状態になった時に検討するつもりだ。それまでは、我々はイランを忘却の彼方へ、あるいは彼らが言うところの「石器時代」へと爆撃し続ける!!!
前半は停戦交渉妥結を連想させたものの、後半は昨日どうでもいいと言ったホルムズ海峡と停戦合意に執着する姿勢を見せ、最後に不穏な言葉が・・・
アメリカ市場は乱高下したものの強く引けました。
日本市場が開ける前に不穏なニュースが・・・
米紙ニューヨーク・タイムズ「複数の米情報機関はここ数日、イラン政府が現在、戦争を終結させるための本格的な交渉を行う意思がないと分析している」
しかしイランのペゼシュキアン大統領がアメリカへの敵意を否定しイランの正当性を主張しつつも無益な戦争を批判する融和的な声明を発表し停戦合意への期待は高まりました。
イランは、アメリカ、ヨーロッパ、または近隣諸国の人々を含む他の国々に対して敵意を一切抱いていない。
最近の米国の行動は、民間人やインフラを標的とした「侵略」であり、長期的なグローバルな不安定さを引き起こす布石となっている。
イランが行ってきたこと、そして今後も行うことは、正当な自衛に基づく慎重な対応である。
対立の道を進み続けることは、これまで以上に高くつき無益である。
数千年にわたる誇り高き歴史を通じて、イランは多くの侵略者達から生き延びてきた。
私たちは今、トランプ氏による米国に向けた10:00(日本時間)の演説を待っています。
これを受けたトランプ大統領の演説は以下の通り。
「停戦合意がなければイランの発電所を攻撃し石器時代に戻してやる!」
・イラン戦争はあと「2、3週間」続く
・合意が得られなければ、米国はイランの発電所を攻撃する
・イランにおける主要な戦略目標は「ほぼ達成」されている
・イランを石器時代に戻す
・米国は今後、ホルムズ海峡から石油を輸入しない。原油が必要な国は米国から買え
・イランの海軍は消滅し、空軍は廃墟と化している
演説直後、イランはもはや言葉は必要ないとばかりにイスラエルにミサイル攻撃を開始し、バーレーンのアメリカ軍基地が標的になっていると報告され空襲サイレンが鳴り響きました。
市場の反応は停戦合意がなくなった事、更にはイランの発電施設への攻撃が行われる事を再認識し大急落を開始・・・日経平均は実に高値から2000円下落・・・原油は106ドルと急騰し市場は地獄と化しました。

4月3日(金)+1.26%:謎理由で謎上げで運命の交渉期限4月6日を前に堅調
4月2日の引け後、原油高が止まらず113ドルを付けた直後、以下のニュースで原油急落・株急騰!
ホルムズ海峡の航行に関する協定案、イランがオマーンと策定中-IRNA
これは戦後の話であるし、特に好材料ではないはずですが・・・そのままアメリカ市場は寄り底で高値引け。
明け方にはイラン・アラグチ外相が「交渉の余地はない。何度も裏切られ信頼もない。外交の扉を永久に閉ざす!」と宣言し、トランプ大統領は発電所の前にイラン国民に取って重要な生活インフラであるイラン最大の橋を爆撃し壊したことを自慢するSNS投稿。わざわざ動画まで付けて。
【速報】4月1日、トランプ大統領はイランを「彼らがいるべき石器時代に戻す」と約束した。4月2日、航空機がテヘラン・キャラジ北部バイパスにあるB1橋を攻撃した。この橋は中東で最も高い高速道路構造物の一つであり、イランの土木工学の象徴である。橋は2度攻撃された。2度目の攻撃は、救助隊が最初の… pic.twitter.com/7w6GWCvIKl
— トランプ氏 発言速報 (@TrumpPostsJA) April 2, 2026
イランもアメリカの戦闘機を撃墜したと主張。
米F35戦闘機を撃墜とイラン ※その後も続々と戦闘機撃墜情報が流れる
戦争は明らかにエスカレーションし4月6日までに停戦交渉妥結は不可能な状況にも関わらず日本市場は高値堅調推移。

もはや市場は交渉決裂、アメリカによるイラン発電施設攻撃、イランによる湾岸諸国の生活インフラに対する報復攻撃まで織り込んで、来るべき終戦後を見据えているのでしょうか?
しかし、アメリカ・イランの攻撃が予想以上で双方に壊滅的なダメージが起きる事や、フーシ派による紅海封鎖まで織り込めているのか?
運命の4月6日を迎えます。